高い生産性を求められる近年の労働環境では様々な業務が自動化されています。その中でも特に最近、注目を集めているのがデータ分析と、それに伴う業績の向上部分です。営業やマーケティングなどは顕著な例ですが、売上を効率的に上げるためにどのようなターゲットに、どのような攻め方をするべきなのか、継続的なアプローチはどのようなものが良く、どのようなタイミングで実施するべきなのか。こうした、以前であればエース級の営業スタッフやマーケティングスタッフが持っていた知識や経験を、システムのロジックに落とし込んでいくとう分野は、成功すれば業績向上に大きく役立つため多くの企業が力を入れています。
クローラーというとインターネット上にあるいろんなホームページからデータを集めてくるというイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、実際に導入される企業の多くでは、ただデータを集めるというよりも「ある業務を自動化する」ためにの作業のひとつとして導入されています。本日はクローラーを使ってどういった業務が自動化されているのかをご紹介していきます。
ネット上から大量のデータを集める作業の完全自動化
最も一般的な自動化用途は、インターネット上の情報を手動で集めて保存していた業務を自動化するというものです。クローラーの持つ機能をそのまま使うだけで簡単に自動化を実現することができます。業務によってはただ集めるだけでなく、集めた後に一定の条件に合致するものだけを保存するという作業が含まれる場合もあります。こうした抽出などの後工程も、条件が明確であれば完全自動化することができます。
自社の商品の販売価格変更の自動化
EC系のビジネスなどで中心に利用されることが多い業務の自動化になりますが、自社のECサイトにおける販売価格を自動で市場内の価格と連動して変更していくというものです。競合の同一商品を調査して、原価から考えて+3%までの範囲においては値段を同一価格に自動変更するといったものです。注意すべきポイントは、競合サイトなどにおけるミスオペレーションです。どの企業においても、多かれ少なかれヒューマンエラーはあります。競合サイト上の表記価格が何かのミスで誤ったものが表示されていることもあるため、そうした部分をどこまで検証してから反映するのかなどのシステムまで含めて運用することが大切です。
原稿作成を支援する素材集作成の自動化
業界によっては大量の商品、案件、物件などを紹介するために都度、社内のスタッフの方が説明文章を書くという業務があります。こうした業務を効率化するために、原稿素材集を社内でまとめている会社さんも多くいますが、そうした素材の草案となるようなものをネット上から集めて、ある程度のところまでを自動でリライトするというものです。リライトされてまとまったデータベースを、最終的には編集スタッフの方がチェック、調整をして、自社の編集方針にそった素材を完成させて利用していきます。
地域別、条件別の平均価格を抽出する作業の自動化
ネット上で集めた市場内の販売価格などを、地域別、特定の条件別に集計して、平均価格を導くという業務の自動化です。ただ集めただけでは、その後の作業に多くの時間を要する場合があります。そこで、集める+集計までを自動化していまうというものです。求人、自動車、不動産、EC、メーカー、旅行など、幅広い業界で利用されます。平均値、中央値を求める作業を自動化して、自社との対比レポートを作る作業もシステム化してしまうと、検討、決断だけに作業時間を充てることができるようになるため、より効率的です。
競合に関するニュース記事、プレスリリース、サイトの更新状況などの確認作業の自動化
多くの企業においては、市場内で気になる競合の動きを少なからずチェックする作業があります。それは営業スタッフや管理職層、経営者層など、誰がどのように行うかは企業によって差はありますが、ビジネスにおいて欠かすことができない作業といえますが、こうした作業を自動化するというケースも増えています。競合企業がはっきりとしている場合は、その競合企業名、関連商品名などが登場するニュース、プレスリリースを毎日、自動で探しに行き、もし新しい情報が見つかったらお知らせをするというものです。また、ニュース、プレスリリースなどだけでなく、競合のサイトを調査し続け、変化があったらそれを通知する機能もよく利用されます。
クローラーというと、営業リスト、アタックリストというものが最も思いつきやすいものではありますが、ビジネスの様々なシーンで活躍する便利な自動化ツールです。情報が絡んだ業務がある場合は、クローラーの活用を考えてみてはいかがでしょうか。