営業で利用されるアタックリストは、Webクローラーの活用方法として最もポピュラーなものといえます。取得してきて、CSVファイルにして、営業スタッフが架電の時に利用するといった具合です。しかし、実際にこのような活用方法で成功しているケースはそう多くはありません。理由は、競合も同様のことを行っていることが多く、結果として差がつかない状態になるためです。競合も同じようなリストをもとに架電を行っていれば、受注を決めるのは商品力、提案力の差になってきます。こうなってしまうと、担当の営業スタッフの戦闘力、自社の商品力が、競合と比べて優れて祈るのかどうかというところで受注できるかどうかが決まってきます。つまり、勝てるときもあれば、負ける時もあるという、”普通”の状態になります。しかし、多くの営業の管理職、経営者の皆さんが目指しているのは”良い”状態のはずです。Webクローラーを活用して、競合と差をつける営業リストを作る方法についてご紹介をしていきます。
「予算をもっている企業を見つけて順番に攻めていく」では不十分。それレベルは競合もやっていることを踏まえて計画をたてる
さきほども述べた通り、見込み客になりそうな予算を使っている企業が掲載されているサイトから情報を収集して営業をかけるだけでは不十分です。理由は競合もその程度のことはやっているからです。効率的に営業を強化するためには、そこからさらに目線をあげて「競合がやっていないこと」か「競合よりも早くやること」を考えることが重要です。しかし、この2つのうち「競合がやっていないこと」は実はとても難しく、成功確率も低いためあまりオススメができません。自社が頑張っているように、当然、競合も頑張って営業をしています。そうなると、自社しか知らないこととというのは、確率的に相当低いためです。同じ業界で、同じ時代に一生懸命はたらいていれば、似てくるのは当然であり、最終的には作業効率が勝敗を分けていきます。そうなると狙うは「競合よりも早くやること」に絞られてきます。この目線でアタックリストを作っていくのが正解です。
みんなが同じところを攻めているのは当然。大切なのは「競合が攻めるよりも圧倒的に早くアプローチする」ということ。この目線でWebクローラーを活用してアタックリストを作ると効果的
自社が魅力的と思うアタックリストは、競合にとっても魅力的なのは当然のことです。普通にやれば真正面からぶつかって、力と力の攻め合いになるのは営業効率はいいとはいえません。かといって、競合が知らない営業先というのはそうそうあるものでもありません。存在しない魔法なようなリストを探すのは時間を無駄にするだけです。確実性が高く、しっかりと売上も上がる可能性が最も高く、ぜひともおススメしたいのは、当たり前のアタックリストを用意した後に「受注率が高い順番に営業する」ことです。たとえば1000社の営業リストを手に入れたとします。それは競合も同じようなタイミングで手に入れているはずです。この時、競合は無作為に上から順番に攻めていたとします。それに対して、もし御社が受注確率が高い順から営業をしていたらどうでしょうか。当然、競合が営業をするころには、話をはじめているのは確実であり、検討期間が短い商品の場合は、すでに御社が受注している可能性すらあります。Webクローラーで収集して作ったアタックリストは、それだけで普通に販売されているものよりも案件化率は高いリストになっているはずです。しかし、それをさらに「受注確度が高い順」に並び替えて攻めていければ、魅力はさらに増すことになります。Webクローラーでリスト作成するにあたっては、このように受注確度に影響を与える項目を同時にとる、もしくは別のサイトから集めてきてつなぎあわせることが、営業リストの質を向上させるために重要です。
受注確度を高めるための情報というのは、業界や商品によって大きく異なりますが、代表的なものとしては「予算の利用総額」「導入の緊急性」「自社とお客様との相性」「商品やサービスの導入状況」などがあげられます。こうした点をチェックするための情報を、様々なサイトから集めて、アタックリストの並び順を、受注確度で変更することができる状態を作っていくことで、競合よりも早く攻めるということを実現できるようになります。どういった情報を組み合わせることで、より良い営業リストになるかは試行錯誤しながら探していくことになりますが、努力は結果に必ずつなっていくはずです。売上向上のためにぜひWebクローラーで作る営業リストにも、こだわりをもって取り組んでみてください。